「よし、転職するぞ!」と意気込んで転職エージェントに登録したものの、「なんだかこの担当者、頼りないな…」「本当に私のこと考えてくれてる?」と感じた経験はありませんか?

良いエージェントはあなたのキャリアを成功に導く最高の味方になりますが、質の悪いエージェントは、あなたの貴重な時間と労力を無駄にするだけでなく、キャリアプランを台無しにしてしまう危険性すらあります。
この記事では、転職で後悔しないために、「登録前に見抜くべきサイン」と「利用開始後に見極めるべき担当者の特徴」を、実際の体験談を交えながら徹底解説します。
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この記事を書いた人
安藤麗奈。1987年生まれ。転職エージェント計3社で11年勤務。z転職のような一人一人に合った転職エージェントを紹介するサービスやリクルート系転職サービス、ブラックな転職エージェントでの勤務経験もあり。既卒から一般転職・ハイキャリア・専門職の方までフォロー。
【登録前にチェック!】使わない方がいい転職エージェントのサイン7選

公式サイトや広告など、誰でも見られる情報からしっかり見極めましょう。
サイン1:公式サイトの情報が古い・企業情報がわからない

- 「転職成功実績」や「お知らせ」が1年以上更新されていない
- 運営会社の所在地、代表者名、連絡先が分かりにくい場所にある(または記載がない)
- 労働局の許認可番号(有料職業紹介事業許可番号)が見当たらない
これらに当てはまる場合、運営体制がずさんであったり、そもそも事業に対する熱意が低かったりする可能性があります。大切な個人情報を預けるのに、信頼できる会社かどうかは最低限チェックしましょう。
サイン2:SNSや口コミサイトで悪い評判が目立つ

【こんな口コミは要注意!】
「登録したのに1ヶ月以上連絡が来なかった」
「希望条件を伝えたのに、全く違う求人ばかり紹介される」
「担当者の態度がとにかく横柄だった」
もちろん、全ての口コミが正しいわけではありません。しかし、具体的な内容の悪評が多数見つかる場合は、多くの利用者が同じような不満を抱えている証拠かもしれません。
サイン3:「誰でも転職成功」など甘い言葉で登録を煽っている
「未経験からでも年収1000万円!」「書類選考なしで面接確約!」 こんな魅力的な言葉が広告で使われていると、つい登録したくなりますよね。

求職者のスキルや市場価値を無視して、とにかく登録者数を増やそうとする姿勢の表れかもしれません。結果的に、質の低いサポートしか受けられない可能性があります。
サイン4:得意な業界や職種が全くわからない
「オールジャンル対応!」を謳う総合型エージェントは多いですが、優良なエージェントは総合型であっても「IT・Web業界に強い」「管理部門の求人が豊富」といった得意分野を持っています。
公式サイトを見ても何に強いのか全く分からず、ただ「どんな方でも歓迎!」とだけ書かれている場合、専門的な知識を持つコンサルタントが在籍していない可能性があります。

サイン5:プライバシーポリシーの記載がない・曖昧
転職活動では、履歴書や職務経歴書といった非常に重要な個人情報をエージェントに預けることになります。

記載があっても、内容が曖昧で分かりにくい場合も注意しましょう。
利用者から預かった情報をどう扱うかという意識が低い、信頼性に欠ける企業と判断できます。
サイン6:保有求人数のアピールが過剰で実態が見えない

どんな業界の求人が多いのか、どんな企業の求人を扱っているのかといった具体例が乏しく、ただ数字の大きさだけをアピールしている場合は要注意。
「カラ求人(実際には募集していない求人)」で数を水増ししている可能性も否定できません。
サイン7:強引なポップアップや過度なメルマガ登録を要求してくる
売り込みが強い転職エージェントは良くありません。
佳恵さん(30代)
とあるエージェントのサイトを見ていただけなのに、画面を移動するたびに「簡単30秒登録!」っていうポップアップが出てきて…。情報収集したいだけなのに、すごく不快でした。
利用者の都合を考えず、自社の利益(登録者数)を優先する姿勢が見え隠れするエージェントは、登録後のサポートも強引である可能性があります。
【利用開始後にチェック!】使わない方がいい!転職エージェントの特徴7選
無事に登録を終えても安心はできません。
ここからは、実際に面談ややり取りが始まった後で、担当者の言動から「ハズレ」を見抜くポイントを解説します。
特徴1:こちらの希望を無視し、的外れな求人ばかり紹介する
これは最も多い「ハズレ」のパターンです。
「希望はIT業界のマーケティング職で、残業は月20時間以内と伝えたはずなのに、なぜか営業職や残業の多い会社の求人ばかり送られてくる…」

こんな担当者からはすぐに離れましょう。
特徴2:連絡が極端に遅い、または一方的でしつこい

質問や相談を送っても3営業日以上返信がない、面接後のフィードバックがいつまで経っても来ない、といった場合は要注意です。
逆に、こちらの都合を考えずに深夜や休日に何度も電話をかけてきたり、応募を催促するメールを一方的に送りつけてきたりするのも問題です。
特徴3:やたらと内定承諾を急かしてくる

「この求人は人気なので、今日中に決めないと他の人に取られてしまいますよ!」
このように内定承諾を過度に急かしてくるのは、エージェント自身の売上目標達成を優先している危険なサインです。
あなたの人生を考えるのではなく、自分の成績のためにあなたを利用しようとしています。冷静に判断しましょう。
特徴4:業界や職種に対する知識が浅い
専門的な質問をしたときに、担当者の知識レベルはすぐに分かります。
【こんな質問をしてみよう】
「この業界の今後の動向について、どうお考えですか?」
「ご紹介いただいた〇〇という職種で活躍するために、特に重要なスキルは何でしょうか?」
「競合のA社とB社の社風の違いを教えてください。」
これらの質問に対して、曖昧な答えしか返ってこなかったり、調べれば分かるような一般論しか言えなかったりする場合は、その担当者から有益な情報を得ることは難しいでしょう。
特徴5:企業のネガティブな情報を隠そうとする
体験談:中富さん(20代・企画職)のエピソード
第一志望の企業の面接に進むことになり、担当者に『実際の残業時間や離職率について、もう少し突っ込んだ情報はありませんか?』と質問しました。すると、『非常に働きやすい環境だと聞いていますよ!』と笑顔で言うだけで、具体的な数字や情報は全く教えてくれませんでした。なんだか信用できなくなり、後で別のエージェントに同じ質問をしたら、部署ごとの残業時間の傾向や、過去の退職理由まで詳しく教えてくれて…。前の担当者は、都合の悪い情報を隠していたんだと気づきました。
良い点ばかりを強調し、デメリットや懸念点を伝えようとしない担当者は信用できません。
本当にあなたのことを考えてくれる担当者なら、入社後のミスマッチを防ぐために、良い面も悪い面も正直に伝えてくれるはずです。
特徴6:キャリアプランについて親身に相談に乗ってくれない
質の低い担当者は、あなたを「求人を紹介する対象」としか見ていません。そのため、目先の転職を成功させることしか頭になく、あなたの5年後、10年後のキャリアプランには無関心です。
- あなたの強みや価値観を深掘りしてくれない
- 「とりあえず内定を取りましょう」というスタンス
- 今後のキャリアの選択肢について、具体的な提案がない
こんな担当者に、あなたのキャリアの舵取りを任せるのは非常に危険です。
特徴7:態度が横柄、上から目線で話してくる
これはスキル以前の問題です。求職者とエージェントは、あくまで対等なパートナーであるべきです。
- 経歴やスキルに対して否定的なことばかり言う
- タメ口など、ビジネスマナーがなっていない
- 「~してあげますよ」といった恩着せがましい言い方をする
このような不快な思いをした場合は、我慢する必要は一切ありません。すぐに担当者の変更を申し出ましょう。
こんな転職エージェントにも注意しましょう!求人は多いが…

1つ目は、求人をたくさん紹介して、選んでもらう形式です。この形式では大まかな項目に一致した求人を順番に求職者に紹介します。
キャリアアドバイザーは、自社の検索ツールを持っていて、そのツールで求人を検索して求職者に求人を送ります。
条件としては「年齢・地域・職種」で絞ってまずは求人を出すのが一般的です。
問題なのは、このタイプの転職エージェントを使った場合、ブラックな勤務体系の求人も多く入っており、自分で求人内容をしっかりと確認しなければなりません。
選ぶ求人を間違えると、サービス残業が当たり前の会社やすぐに辞める人が多い悪質な会社にあたってしまいます。
2つ目のパターンは上記のようには紹介しません。
まず、しっかりと希望を聞き取ってくれる転職エージェントがおすすめです。
「残業が多いと嫌ということですね」
「はい」
「週1くらいなら大丈夫ですか?」
「まぁ、ない方がいいですね…」
「わかりました。残業がない会社で探しますね」
「はい」
「ココとかどうでしょう。ご希望の○○の路線ですし、残業をしないという社則もあります」
「あ!いいですね!他もありますか?」
「わかりました。他も出しますね!」

やはり、悪質な転職エージェントには「とにかく求人をたくさん紹介して、相手が気に入ったら応募させる」というところが多いです。
そして、これは担当者によっても異なります。
なので、担当者を変えてもらうことで、紹介方法が変わったりもします。
大きな転職エージェントでは、担当者の変更が簡単にできるので、担当者の変更も検討していきましょう。
もしハズレ転職エージェントに当たってしまったら?3つの対処法
「もしかして、私の担当者ってハズレかも…」
そう感じても、焦る必要はありません。
あなたのキャリアを守るために、今すぐできる具体的な対処法を3つご紹介します。
対処法1:担当者の変更を申し出る
「担当者を変えてもらうなんて、気まずい…」と思うかもしれませんが、これは求職者の正当な権利です。
合わない担当者と無理に転職活動を続けても、良い結果には繋がりません。
勇気を出して、変更を申し出ましょう。電話で言いにくい場合は、メールで連絡するのがおすすめです。
【メール例文:担当者変更を依頼する場合】
件名:担当者変更のお願い(氏名:転職 太郎)
株式会社〇〇 〇〇様
いつもお世話になっております。
貴社の転職支援サービスを利用させていただいております、転職 太郎です。
大変申し上げにくいのですが、私のキャリアプランに対する考え方と、ご担当者様からのご提案に少し隔たりがあると感じております。
つきましては、誠に恐縮ですが、もし可能でしたら別のご担当者様のお話を伺う機会をいただくことは可能でしょうか。
お忙しいところ大変申し訳ございませんが、ご検討いただけますと幸いです。 何卒よろしくお願い申し上げます。
このように、担当者個人を非難するのではなく、「考え方の相違」を理由にすれば、角を立てずに依頼することができます。

対処法2:すぐに別のエージェントにも登録する

転職エージェントは、2〜3社に複数登録するのが基本と考えましょう。
【複数登録のメリット】
- リスク分散: ハズレ担当者に当たっても、他のエージェントで活動を続けられる。
- 比較検討: 複数の担当者と話すことで、誰が本当に信頼できるか客観的に判断できる。
- 求人の網羅: それぞれのエージェントが独自に持つ「独占求人」に出会える可能性が高まる。
- 多角的な視点: 自分では気づかなかったキャリアの可能性を、別の担当者から提案してもらえることがある。
今の担当者に少しでも不安があれば、すぐに他のエージェントにも登録して、比較検討することをおすすめします。
対処法3:きっぱりと利用を停止する
担当者を変更しても改善されない、あるいはその転職エージェント自体に不信感がある場合は、無理して使い続ける必要はありません。

利用停止の連絡は、今後の連絡を止めてもらうためにも、メールで簡潔に伝えるのがスマートです。
「お世話になっております。〇〇です。大変恐縮ですが、この度の転職活動を一旦中断させていただきたく、ご連絡いたしました。これまでご支援いただき、誠にありがとうございました。」
このように伝えれば問題ありません。
あなたの貴重な時間を守るために、合わないと感じたら見切りをつける決断も重要です。
もう失敗しない!優良な転職エージェントを見分ける3つのポイント
では逆に、信頼できる「優良な転職エージェント(担当者)」はどのような特徴があるのでしょうか。

ポイント1:あなたの価値観やキャリアプランを深くヒアリングしてくれる
優秀な担当者は、求人を紹介する前に、まずあなたという人間を深く理解しようと努めます。
【良い担当者の質問例】
- 「〇〇さんが仕事をする上で、最も大切にしたい価値観は何ですか?」
- 「今回の転職で、実現したいことと、逆に絶対に避けたいことは何でしょう?」
- 「5年後、10年後、どのようなスキルを身につけて、どんな立場で活躍していたいですか?」
目先の転職だけでなく、あなたの長期的なキャリアの成功を真剣に考えてくれる担当者こそ、信頼できるパートナーです。
ポイント2:企業のリアルな情報(メリット・デメリット)を提供してくれる

【良い担当者の伝え方】
「A社は風通しが良く若手でも活躍できますが、その分成果へのプレッシャーは強いかもしれません。B社は安定していますが、年功序列の風土が合う・合わないは分かれると思います。〇〇さんのご志向には、どちらが合っていると思われますか?」
このように、入社後のミスマッチが起こらないよう、多角的な情報を提供してくれる担当者は非常に信頼できます。
ポイント3:連絡がスピーディーかつ丁寧で、安心感がある
基本的なことですが、ビジネスパートナーとしての信頼感は非常に重要です。
- 連絡が常に迅速で、質問への回答が的確
- 面接前には必ず励ましの連絡をくれる
- 面接後にはすぐにフィードバックをくれる
- 言葉遣いが丁寧で、常に求職者の立場を尊重してくれる
このような細やかな配慮ができる担当者は、企業側とも良好な関係を築いている可能性が高く、安心して転職活動を任せることができます。
まとめ:使わない方がいい転職エージェントリスト
いかがでしたでしょうか。

最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
【登録前に見抜く7つのサイン】
- 公式サイトの情報が古い・企業情報が不明瞭
- SNSや口コミサイトで悪い評判が目立つ
- 「誰でも転職成功」など甘い言葉で登録を煽っている
- 得意な業界や職種が全く不明確
- プライバシーポリシーの記載がない・曖昧
- 保有求人数のアピールが過剰で実態が見えない
- 強引なポップアップや過度なメルマガ登録を要求してくる
【利用開始後に見抜く7つの特徴】
- こちらの希望を無視し、的外れな求人ばかり紹介する
- 連絡が極端に遅い、または一方的でしつこい
- やたらと内定承諾を急かしてくる
- 業界や職種に対する知識が浅い
- 企業のネガティブな情報を隠そうとする
- キャリアプランについて親身に相談に乗ってくれない
- 態度が横柄、上から目線で話してくる
転職の成功確率を上げる最善の方法は、複数の転職エージェントに登録し、この記事のチェックリストを参考にしながら、本当に信頼できる担当者を見極めることです。
あなたの転職活動が成功することを、心から応援しています。